MR装置とは : | 磁気共鳴 (Magnetic resonance : MR) 装置のことで、磁気を使用して人体の断面画像を得る装置です。 放射線(X線)は使用しません。 またMRI とは、磁気共鳴画像 (Magnetic resonance imaging : MRI) のことです。 |
MRIの原理 : | 人体の各々の細胞に含まれる水素原子核 (プロトン=陽子)の磁気性を利用し、磁場と電波を使って画像を作ります。 使われる磁場の強度は、FM放送と同じぐらいの高周波磁場です。これは、エレキバンのような磁気治療器の十倍以上の強度があります。 |
MRIの利点 : | 生体を構成する組織の種類による画像のコントラストが高い。 骨による障害陰影(アーチファクト)がない。 任意の方向で撮像できる。 |
MRIの欠点 : | 心臓ペースメーカーや脳動脈クリップなどの磁性体金属が体内にあると検査が受けられない。 口腔内に存在する金属では、場合によって検査が受けられるが、金属によるアーチファクトが発現する。 検査時間が長い(CTと比較した場合)。 装置が狭いので閉所恐怖症だと検査が出来ない場合がある。 検査中の音が大きい。 MRI検査では、検査室に時計、クレジットカード、携帯電話などは持ち込めません(壊れてしまいます)。 金属でできているものもすべて持ち込めません(アクセサリーや安全ピン、ボールペン、はさみなどに注意しなければなりません)。 |
MRI装置 : | 永久磁石型と超伝導磁石型のタイプに分かれ、前者の方は、常に磁力が発生しています。後者の方は、電流を流すと磁力が発生します。 下記の写真は永久磁石型の装置です。CT装置と似ていますが、MR装置では患者さんが入る部分(ガントリー)の奥行きが深くなっています。 近年、検査時に患者さんに閉塞感の少ないオープン型装置も発売されています。 |
歯科領域のMR撮影 : | 歯科の分野では、主に、炎症性疾患、腫瘍性疾患、嚢胞性疾患、顎関節疾患、唾液腺疾患などの診断に用いられます。 口腔底部に発症したガマ腫のMR画像を下に示します。 |