口腔内の金属製修復物によって、このようなアーチファクトを生じ、画像診断に障害を及ぼします。 この画像では、左側下顎大臼歯部に存在する補綴装置が原因でアーチファクトが生じています。 日常、歯科臨床で頻用される金属の中でも、特に Ni-Cr合金・Co-Cr合金は、FS法、SE法、GE法のすべてのシーケンスで診断に障害が生じると報告されています。 また、近年、義歯の維持や支持を目的として、臨床的価値が高い磁性アタッチメントが導入されています。この磁性アタッチメントは高いがあるのですが、義歯を外しても口腔内に存在するキーパー部によりアーチファクトが生じ、診断に及ぼす影響が大きくなります。 参考文献 1.今中正浩:MR imagingにおける金属アーチファクトの研究.歯科放射線,38(3):174-192,1998. 2.今中正浩,小林馨,柏原広美,森戸光彦,山本昭:MR画像における磁性アタッチメントのキーパーによるアーチファクト.歯科放射線,36(3):182-183,1996. |