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不思議な森の写真「鳥肌が立つほど美しい」

 昨年の12月初旬に東京都と神奈川県の境にある陣馬山の山頂近くで、森の中に突如、光の輪が現れたそうです。神秘的に見えたその現象は、霧の粒などによって光が散乱し、虹のような光の輪に見える「ブロッケン現象」ではないかと説明されています。(2012年12月27日朝日新聞デジタル)

 そのような現象は、山の頂上や飛行機から見下ろした雲などに現れることがあるらしいのですが、森の中では珍しいのだそうです。しかも「鳥肌が立つほど美しい色であり、近寄ってみると、その虹の輪は二重に見え、大きくなりました」と登山中に、その光景を撮影したピアニストの斎藤美香さんは驚いたそうです。

写真は朝日新聞デジタルでご覧ください。

 まだ見たことがありませんが、多少興味があったので調べてみました。       ブロッケン現象(Brocken spectre)とは、太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象だそうです。
また、山岳の気象現象としても有名で、尾根の日陰側かつ風上側の急配の谷で山肌に沿って雲(霧)がゆっくり這い上がり、稜線で日光にあたって消える場合によく観察されるそうです。

 ヨーロッパでは、この現象はドイツ中北部に位置するハルツ山地の最高峰であるブロッケン山(1,142m)に多く見られるので、この名が付けられたそうです。ヨーロッパでは人や物の影が巨大な妖怪のように投影されて見えるため、「ブロッケン妖怪」とも称されているそうです。

 日本では、ご来迎、後光(御光)とも呼ばれて、阿弥陀如来が空中住位の姿で現れたものとされているそうです。そのせいか、昔から槍ヶ岳、剣岳など、この現象がよく現れる山は、山岳宗教で有名になっており、それ以外に、山の御光・仏の御光、英語では「グロリー」などと呼ばれていて、日本では「御来光/御来迎」と称されているようです。

 なかなか簡単に見れるものでは無いのでしょうが、本当に神秘的で綺麗な虹色の輪のようです。一度お目にかかりたいものです。(TN)


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