会員コラム
私の視点

驚異的な声  数学の難問「ABC予想」解明か

 ABC予想ってなに? 安易に考えていたのが誤りでした。何と泥沼に頭を突っ込んだ思いです。何はともあれ、ABC予想とは1985年に欧州の数学者らによって提唱されたそうですが、AとBの2つの整数とこれらを足してできる新たな整数Cを考え、それぞれの素因数について成り立つ関係を分析した理論だそうです。(10月3日朝日新聞)

少しだけ勉強しました。 aとbを互いに素の正整数でc=a+bとします。 a×b×cを素因数分解して、そこに出てくるすべての素数を1回ずつかけます。 これをrad(a×b×c)と書きます。例えば18=2×3×3は、rad(18)=2×3=6になります。 このとき、1より大きいどんな実数kについても、「有限個の例外を除いて」c<rad(a×b×c)^kが成り立ちます。(ただし「^k」は「k乗する」ことを表しています。) ここで素因数分解(そいんすうぶんかい)とは、ある正の整数を素数の積の形で表すことです。(ただし、1 に対する素因数分解は 1 と定義します。)

とにかく、現代の数学において未解明のまま残された問題で、「最も重要」とも言われる整数の理論が「ABC予想」だそうです。それを証明する論文を、京都大学数理解析研究所の望月新一京都大教授(43)が、2012年9月18日までにインターネット上で公開したそうです。今回話題になったこの論文は、4編の500ページで、整数論の代表的難問であり、解決に約350年かかったという「フェルマーの最終定理」も、この予想を使えば一気に証明できてしまうということですから、欧米のメディアも「驚異的な偉業になるだろう」と興奮気味に伝えているのだそうです。 

この難攻不落の難問に挑んだ望月新一教授は、19歳でアメリカ・プリンストン大数学科を卒業すると32歳で京大数理解析研究所の教授に就任するほどの実力者だそうです。
2005年には第1回日本学士院学術奨励賞を受賞しております。

英科学誌ネイチャーによると、望月教授はまだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法を開発し、それを駆使して証明を展開しているようです。
ネット上では「なるほど、さっぱりわからん」、「まさしく天才って感じの経歴で有名な人だな。」などと多数でしたが、私もABC予想についてはサッパリですが、教授の人となりには興味がありました。(TN)

 バックナンバー