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世界1位スパコン「京」 いよいよ稼働 読売新聞によると、理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」(神戸市)が 9月28日に本格的に稼働したようです。スパコンと云う言葉を聞くと、咄嗟に私の頭の中では、以前に行われた事業仕分けの際の意見のやりとり、「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」「2位じゃダメなんでしょうか?」という意外な質問のあったことを思い出しました。1番を狙った結果2番だったという事はあるでしょうが、1番を目指さないで、2番になれる訳がないと思います。 スパコンとはどんなものか? スパコン「京」の「京」とは数の単位。「億」の1万倍が「兆」、「兆」の1万倍が「京」です。その名のとおり、1秒間に10の16乗である1京(けい)回の計算、つまり1秒間に1280億回の浮動小数点演算の計算ができるCPUが8万個以上搭載されているのです。こうして生まれる世界一の計算スピードは、一般的な高性能パソコン10万台分と同じ位だそうです。たとえば地球の全人口70億人全員が、24時間不眠不休で1秒間に1回のペースで17日間かかる計算を、たった1秒で終わらせることができるというのですから、全くの驚きです。 一方、人間の細胞に関しては、様々な種類の細胞に変化できるES細胞(胚性幹細胞)や日本発の技術である、iPS細胞(新型万能細胞)から臓器を作り出す研究など、さらには再生医療の早期実現を図る計画、細胞のDNAや、分子レベルの構造や動きまでを高度なシミュレーションよって導出する計画などがあるようです。そのほか、新薬の開発や自動車の設計なども構想に入っているようです。 今後、多額の運営経費が掛かろうとも、個人的には「京」は必要だと思いますし、科学技術の研究であれば、それ自体がすぐに利益を生まなくとも、そこで生まれた技術や成果は他に生かされる筈です。また、出来上がった物を輸入するというのでは意味が少ないですが、開発するということは大いに意義があるものです。(TN) |
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