93才になる父が白内障の手術を受けた。30年前には考えられない手術である。昔は1週間術後、安静にしなければならなかったはずである。ところが近年日帰り手術で良いとのこと。それも5分程度の手術。

 父は高齢のため病院に2泊した。手術は流れ作業、午後から10人ほどの患者が手術を受けたようだ。父は病室を離れ30分程度で戻ってきた。何事もなく無事に帰ってきて家族は安堵したが、本人は緊張したようで血圧が200まで上がったらしい。目薬の投与方法や、1ヶ月間、顔や髪を洗ってはいけない等、不潔にならないように注意を受けた。大変なので、家族は落ち着くまで入院させたかったが必要無いと言われてしまった。手術前日午後2時に入院、手術は午後5時。退院は次の日の午前中。術前より術後の方が短い病院滞在時間だった。

 白内障の手術の進歩に驚かされる、ある友人も手術を受け、視力0.3が1.2になった。友人の話では、術後、最初に驚いたことは、鏡に映った自分の顔だった!「しわくちゃで、シミがいっぱいあり,髪はボサボサ。以前(視力0.3の時)は何とも思っていなかったが、ビックリした!!」と、少し笑える。見えることで部屋のほこりが目につき,掃除もまめに行うようになったとか。

父や友人を見ていると、行動範囲が広がり手術を受けて良かったと思った。

 ところで、我々、歯科に勤務する診療放射線技師が、撮影時に特に気を遣う組織として、目の水晶体がある。放射線被曝の確定的影響として白内障はおこりえる。近年、アメリカの学会では、少ない線量で混濁が起こると警鐘を鳴らしている。

 私は体にメスは入れてはいけないと思っている、簡単な手術とは言え、やらないにこしたことはない。父の手術によって、あらためて白内障を考えた。

我々は常日頃から放射線の影響に留意し、業務にあたらなければならない。                      (A.M)

 
白内障

2013年7月2日火曜日

 
 

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