日常目にする値ですが、ふと、それが意味することを理解するのが、本当に難しいと思うことがあります。自分にはよく理解できていない事が多いからかも知れません。これらの数値をキチンと理解し、妥当な判断を下せなければなりません。日常使用している数値についても意外と誤解しているところがあるからです。例えば、先日の朝刊に「大学生の1/4が平均を誤解していた」という記事が掲載されていたことがありました。

 そんな中で、消費者が検査数値をどう読んでいるかが問われています。様々な検査の数値を理解するために、福島第一原発事故以来、現在は放射能を考える講座が盛んに行われているようです。(2012年9月11日読売新聞より引用)

 その一部ですが、有機野菜の宅配などを行う「大地を守る会」(千葉市)の「放射能連続講座」の内容をのぞいてみました。6回シリ-ズで、講師は東大教授の早野龍五先生です。クイズ形式で放射能に関する数字の目安が説明されていたので、参考までにその内容を紹介します。これが意外と難しいのです。

 例えば、

Q 年に1ミリ・シ-ベルトを内部被ばくするには、放射性セシウムの摂取量はおよそどれくらいか、

① 50ベクレル ② 500ベクレル ③ 5000ベクレル

④ 5万ベクレル ⑤ 50万ベクレル

答えは ④ 5万ベクレル

これは乳児で計算した目安で、大人はもう少し多くなります。1ミリ・シ-ベルトは、食品の基準値を決める際に年間の食品からの被曝限度とされた数字です。

Q 食品の基準値の1キロ・グラムあたり100ベクレルの米を大人が1年で60キロ・グラム(国民1人あたりの消費量)食べたら、内部被ばくはおよそ

① 0.01ミリ・シ-ベルト ② 0.1ミリ・シ-ベルト ③ 1ミリ・シ-ベルト

④ 100ミリ・シ-ベルト  ⑤ 100ミリ・シ-ベルト

答えは ② 0.1ミリ・シ-ベルト

実際は規制で100ベクレルの米は流通しない。食品の「ベクレル」を見るときには、体への影響を表す「シ-ベルト」の数値を考えます。

Q 放射性セシウムを毎日10ベクレルずつ取り続けると1年後には10×365日で3650ベクレルが体内にたまる。○か×か

答えは ×。

尿や便を通じて、体外に排出され、食べたセシウムがすべて体にとどまるわけではない。成人なら数か月、乳幼児なら数十日でセシウムの量が半分になるからです。

Q 同じ食事をする家族では、子供の方が体内の放射性セシウム量が高くなる。

これも ×。

代謝が活発な子どもの方がセシウムを早く体の外に排出する。一緒に暮らす大人と子どもの体を測ると、大人の方が長期間セシウムをため込み、数字が高くなります。-(以下省略)-

 福島第一原発の事故の影響で一般の人々の環境放射線に対する不安や関心が高まっています。聞き慣れた数値でも、その正確な意味や、類語との区別を明確に知らせること、また素人測定や判断による流言飛語に惑わされないよう、放射線を正しく知って貰うための情報発信か必要であると考えます。(TN)

数値の意味を 正しく理解する

2012年11月11日日曜日

 
 

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