イソップ物語はヘロドトスの『歴史』によると、前からある民話も加え紀元前6世紀に奴隷のアイソーポスが作ったとされている。日本では、1593年(文禄2年)に『イソポのハブラス(ESOPO NO FABVLAS)』として紹介されたのが始まり。日本には、江戸時代初期から『伊曾保物語』として各種出版され、普及し、「兎と亀」などのように日本の昔話へと変化するものもあらわれた。ところで歌にまでなったこの「兎と亀」の教訓について、ある先輩から今までにない考え方を教わった。
1)継続は力なり。
2)どんなに能力が優れていても油断すると失敗する。
このように、まじめにこつこつ・・・と、油断すると亀にも負けると、多くの人は考えている。ところが、ある私の先輩は別な視点でこの物語を捕らえていた。それぞれの目標がちがうと言うのである。
「 ウサギの目標は亀に勝つことであるが、亀の目標は山頂まで登る?こと。 」
亀がどんなにがんばっても普通一般的には亀は兎に勝つことができない。はじめからわかった競争で、たまたま兎の油断で亀が勝てただけである。
この物語の本質は、目標を見定めよということである、最初から勝てる戦をするのではなく、もっとおおきな目標に向かって日々努力をしなければいけない、と言っているのだそうだ。
人生年を取ると、いろいろなことに出くわすが、時には簡単な童話の中にはっとする教訓があるのだと考えさせられた。
「人生の目標は大きく、見定めよ、そしてそれに向かう努力が必要である」と教えている。 (M)