【 撮影補助具を使用した口内法撮影 】

口内法撮影では、フィルムを口腔内に挿入・固定し、そのフィルムに口腔外よりX線を照射します。
フィルムの固定は下図のように、患者の手指、または咬合によって、もしくは器具を使用して行います。

            
    (指による固定)         (咬合による固定)      (器具による固定)

この器具のことを一般に撮影補助具といいます。
撮影補助具を使用して固定する方法は、様々な撮影法に対応できます。特に、歯の長さと形態を理想的に観察することが可能な平行法撮影を行う場合や、咬翼法撮影の時に有効です。
また、平行法撮影が不可能であっても、手指による固定に比べて、フィルムを歯軸により平行に近づけて固定することが可能であり、そのため歪の小さい写真を得ることができます。

この撮影補助具には大きく分けて2種類があります。
1つはコーンによる照準を容易にするためのコーン指示器のついたもの(下図左)、もう1つはフィルムの固定のみに主眼をおくコーン指示器のないもの(下図右)です。

       

コーン指示器のついた撮影補助具は、コーン指示器に正確にコーンを位置づけることで、フィルムに正確にX線を入射できるため、コーンカットの極めて少ない撮影が可能になります。

一方、フィルムの固定のみを目的とする撮影補助具には、フィルム固定部だけのものから手指で保持するための柄のついたものまで、いろいろとあります。またその使い方も、患者に咬合させるものや、指で歯に押し付けるものなど種々あります。しかし、コーン指示器がないため、コーンの位置づけは従来の撮影同様、撮影者が注意深く行う必要があります。
咬翼法で使用されるバイトウィングループもこの種類に入るといえます。

撮影補助具を使用するにはある程度の熟練を要しますが、口内法撮影法の教育に補助具を導入した場合、コーンカットや不適切な正放線投影が減少したという報告もあります。
欠点として、ほとんどの補助具が繰り返し使用するものであるため、消毒または滅菌という繁雑な作業が必要になります。
しかし、撮影補助具を使用することで、種々の撮影法に対応できるだけでなく、口腔内に手指を入れなくても良いため、患者に清潔感を与えるとともに、患者の手指に対する被曝を防止できるといった多くの利点もありますので、撮影の際には、ぜひ利用して欲しいものです。

 製造元リンク
http://www.rinncorp.com/index.shtml
http://www.dentsply.com/
http://www.sarpdental.com.tr/Hawe/hawe.htm
 
撮影補助具として現在市販されているもの
(製造元、名称、代理店、簡単な説明を付けました。参考にしていただけたらと思います。)