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口内法ディジタル撮影 : |
最近では、口内法撮影においてもディジタル化が進み、イメージングプレート(Imaging
plate:IP)や電荷結合素子(Charge Coupled Divice:CCD)を用いた歯科用ディジタル画像処理装置を使用する施設も多くなってきています。
IP方式ディジタル画像処理装置(Fig.1)は、歯科用フィルムの代わりにIP(Fig.2)を使用し、X線装置などは従来のものを使用することが出来ます。
IPの寸法は、頻用される歯科用フィルムの小児用、成人用、咬合用の大きさとほぼ同じで、小児用が22×35mm、成人用31×41mm、咬合用が57×76mmです。その他、パノラマ撮影用のIP(15×30cm)やセファロ撮影用のIP(20×25cm)もあります。
撮影時には、IPを唾液防護用のサニタリーバックなどに入れて撮影を行い、データ読み取り後は潜像を消去し、繰り返し使用できます。
読み取りは、IPをスキャンドラムにマウントしてレーザー光を照射すると、IPに照射されたX線量に応じた量の蛍光を発するので、その量を測定してコンピュータにより画像処理をします。
Fig.1の装置の場合、読み取る解像度は2種類あり、走査密度300dpiでは6lp/mm以上、600dpiでは
8lp/mm以上となります。
階調分解能は、スキャナー読み取り後の内部生データは16bit(吸収線量対階調自動補正機能処理前)であり、ディスプレー表示用転送データは8bitであります。
スキャン処理の所用時間とデータ容量は、成人用IPを走査密度600dpiで行った場合は
177秒・750KBであり、走査密度300dpiでは 111秒・190KBです。
もう一つの口内法ディジタル画像処理装置(Fig.3)は、フィルムやIPの代わりにCCDセンサー(Fig.4)を使用します。
CCDセンサーとパーソナルコンピュータがケーブルでつながっているため使い勝手がやや悪く、現在市販されている装置のCCDセンサーの受光面サイズは成人用フィルムより小さいため撮影にあたり注意が必要です。
*参考 : (株)ヨシダのCOMPURAYTMでは 18.2×27.5mm
また、IPの厚みは1mm以下であるのに対し、CCDセンサーの厚みは5mm程あるため口腔内でやや扱いづらい面がありますが、IP方式やフィルム方式では数分程度の処理時間を必要とするのに対し、CCDセンサーを用いたものでは、撮影後ほぼリアルタイムでモニターに写し出されるという利点があります。
これらのディジタル画像処理装置は、IPやCCDにより得られた情報をパーソナルコンピュータで処理を行うので、コントラスト・濃度調整や距離・角度計測などが可能です。また、プリンターやMOドライブなどと接続し、画像の印刷や保存はもちろん、患者さんの個人データ管理も簡単に行うことができます。
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Fig.1 Dentsply社製DenOptixTM
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Fig.2 各種 Imaging Plate
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Fig.3 (株)ヨシダ社製COMPURAYTM
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Fig.4 CCDセンサー
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参考文献
1) 木村由美.歯科領域の画像検査について.神奈川放射線.56(2):22-25,2003.
2) 大黒俊樹,ロバートモルテニ.パントモ・デンタル統合型・新構想デジタルX線診断システムDenOptixTM
について.第3回国際コンピュータ歯科医学会抄録.
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